株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド⑤
国際投資
・米国株の時価総額は世界全体の50%に過ぎない。投資先を米国だけに絞るのは、世界の資本の半分を無視することになる。
・米国市場が堅調なときには海外市場が低迷し、海外市場が好調な時には米国株が低迷する局面が、これまでに何度もあった。米国株の利回りは1970年代と80年代に欧州株と日本株を下回っていた。利回りのばらつきを考慮すると、世界的に十分に分散されたPFを維持することが重要。
1970-2006 1970-1979 1980-1989 1990-1999 2000-2006
米国 10.8% 4.6% 17.1% 19.0% 2.5%
欧州 12.3% 8.6% 18,5% 14.5% 7.3%
日本 11.5% 17.4% 28.7% -0.7% 4.3%
→ある特定の市場が永続的に優位に立つことはない。よって、米国は現在一人勝ちで米国株に資金が流れる傾向にあるが、日本や欧州の利回りのほうが高い可能性が十分にある。
・2050年の世界の人口予測:①アフリカ(20%), ②インド(18%), ③中国(15%), アメリカ(4%)
・2050年の世界のGDP予測:①中国(23%), ②米国(12%), ③インド(12%)
・2050年の世界の株主資本予測:①中国(25%), ②米国(20%)
→投資対象を米国株だけに絞るのは、投資家にとって危険な選択。なぜなら、米国株の世界シェアは、2050年に20%まで下がるから(今50%)
インフレ
・保有期間1年では、インフレ率が高ければ高いほど実質利回りは低くなる(債券も同様)。しかし、保有期間が30年になると、インフレ率と実質利回りに全く相関性がなくなる。これは株式の長期利回りがインフレ率と同じベースで上昇するためである。株式は実物資産の利益に対する権利であるため、長期利回りがインフレに影響されないと考えるのは妥当。
景気
・景気の天井や底の前に株価は先行する。天井や底の1ヶ月前に購入できれば複利で1.8%市場平均より勝て、30年間でトータルリターンは60%増える。しかし、経済学者でも景気の天井や底を予測することはできなく、一般投資家には不可能。景気の底や天井を感じたときには株価はすでに底や天井をとっくの昔に過ぎている。