ウォール街のランダム・ウォーカー④
行動ファイナンス学派から
・多くの個人は相場のピークまたはそれに近いところで大量に投資信託を購入し、下げ相場の大底が近づいたところで、いっせいに資金を引き上げる傾向が強い(1993-2018年のS&P500の株価と投信への純資金流入実績より)
・どうしても売る必要があれば、儲かっている銘柄ではなく、損している銘柄を売ること。
スマートベータ
・明確な定義は存在しないが、低コストの市場インデックスファンド以上のリスクを取らずに、それを上回るリターンが得られるような、一種のパッシブ運用のこと。
・多くの実証研究結果により、バリュー投資の有効性を確認している。低PER, PBR, BPS, CF, 売上高といった指標に対する株価の倍率が低い銘柄が平均以上のリターンをもたらしている。例えば、PERが低い純に同じ銘柄数のファンドを10個作り、1967年から毎年組み替えた結果、最もPERの低いグループのリターンは16%で、最もPERの高いグループのリターンは6.5%だった。
・バリューETFは市場平均と同じであったが、バリュー×小型であれば市場平均を上回るかもしれない。ただし優れた成績をあげられるかどうかは、一にも二にも購入した時点での相場状況がどうであったかにかかっている。例えばITバブルの崩壊局面で大幅に割高に評価されていたハイテク・グロース株暴落した結果、異例の高パフォーマンスを上げることができたし、小型株も大型株に比べて割安に放置されていた時に購入すると高パフォーマンスを上げる。ある時期に非常に好成績をあげて注目を集めた運用戦略は、それが広く知れ渡るとだめになることが多い。
リスク・パリティー
・低リスク・低リターン資産を組み入れたPFを作り、借入金で自己資金の何倍もの規模で運用するやり方。国債レバ2倍の方がS&P500よりリターンが大きくリスク(標準偏差)は小さい。
リターン(年, %)標準偏差(月, %)
S &P500 8.6 2.0
10年国債 5.1 0.8
国債レバ2倍 10.1 1.6
著者は大きな自己資金を運用している場合、分散の一環でマルチファクターのスマートベータファンドやRPポートフォリオの保有を検討すべきと主張している。