株で1億円のキャピタルゲインを

株で勝つための銘柄分析、本の要約をブログにしています。

ウォール街のランダム・ウォーカー①

本書は出版されてから45年経った第12版である。この歳月が流れても、「個人投資家の大部分は個別売買やアクティブファンドへ投資信託をするよりも、インデックスファンドへ投信しじっと持ち続けるほうが遥かに良いリターンを生む」という結果に変わりがなかった。

ただし、個人投資家はアクティブファンドと異なる特徴(最良の時期まで現金で持つことができるなど)もあるため、インデックスよりもリターンを上げられる可能性がある。本書はリターンを上げる方法も解説している。

 

・ランダム・ウォークとは。物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能であるということ。突き詰めていけば、目隠しをした猿に新聞の相場欄目掛けてダーツを投げさせ、それで選んだ銘柄でポートフォリオを組んでも、専門家が注意深く選んだポートフォリオとさほど変わらぬ運用成果を上げられること。

 

チャート分析はなぜうまくいかないか

・トレンドが形成された後にしか投資しない、またはトレンドが崩れた後でしか売りに出さないため。市場では、株価の急反転は別に珍しいことではなく、売買タイミングを失うことになる。上昇傾向のシグナルが明らかになるときには、すでに株価は上昇している。

・トレーダーはテクニカル分析のシグナルを、それが形成される前に予測しようと考え始めるため。例えば抵抗線をブレイクしようとする株を見つけたら、トレーダーはブレイクした後ではなく、その前に買いを入れようとする。そして他のトレーダーたちはもっと早くそのシグナルを予測して行動を起こす。よって、売買シグナルの予測を早くすればするほど、予測の不確実性はますます大きくなる。

 

ファンダメンタル分析も必ずしもうまくいかないのか

・情報や分析が必ずしも正しいとは限らないため。現在の事実が将来の予測につながらないことが多数ある。

・アナリストが価値の推定を間違う可能性があるため。

・市場は必ずしも自分の間違いを速やかに訂正するとは限らないため。つまり株価が必ずしも本来あるべき値段にサヤ寄せされないことがしばしばある。

 

成功するための3つのルール

1. 利益成長率が今後5年間にわたって市場平均以上の銘柄を買うこと。

 継続的な成長は、キャピタルゲインインカムゲインのどちらも得られる。

2. 株価がファンダメンタル価値以上になっている銘柄には手を出すな。

 市場平均のPERが有用なベンチマークになる。非常に高いPERのついた銘柄の株価にはすでにその成長が完全に織り込まれていることが多いことに注意。大幅増益にもかかわらず予想に僅かに届かないだけで株価が急落することもある。よって、市場にまだあまり知られておらず、PERが市場よりも極端に高くなっていないような成長株に投資すること。ピーター・リンチもこの手法を用いた。(期待成長率に対するPERで割安度を計算)

3. 投資家が「砂上の楼閣」を作れるようなストーリーが描ける銘柄を探そう。

 投資家に「受けが良い」銘柄は、たとえその成長率が並の水準に過ぎなくても、長期間に渡って高いPERで取引されるもの。

・ストーリーが人々の心をつかめそうな銘柄か、自問すること。