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マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣 〜ポール・チューダー・ジョーンズ

マーケットの魔術師」は米トップトレーダーがいかにして成功したかをインタビュー形式で答えるものである。1987年に発行された本であるが、マーケットを動かすのは人間の心理であり、人間の心理(恐怖や強欲などといった根本的な感情)は不変なため、今でも重要な情報ばかりである。
ポール・チューダー・ジョーンズは先物市場で名を馳せた人物。ブラックマンデーを当て、2倍以上の利益を獲得、日本のバブルではショートポジションで80%の利益を獲得。2019年には世界で7番目に利益をあげられるヘッジファンドマネージャに選ばれる。現在67歳。

以下、特記事項

・相場は新高値をつけた時に非常に強く見えるが、それはしばしば絶好の売り場になる。良いトレーダーになるためには、幾分か大勢の逆を行かなければならない。

 

・トレードする前に心理的損切りのポイントは決めている。その値になったら、どんなことがあっても手仕舞うようにしている。

 

・自身のトレードは転換点で売買を試みる逆張り逆張りが上手くいかない時は、損するに従ってポジションサイズを落としていく。そうすれば、トレードの状態が最悪になっている時に最小のポジションになる。

 

・必ず守っているルールはナンピンしないこと。トレードが上手くいかないときは枚数を減らすこと。

さらに、コントロールできない局面では決してトレードしないこと。例えば重要な発表の前に多くの資金をリスクにさらすことはしない。それはトレードではなくギャンブルのため。

加えて、いくらでポジションをとったかということにこだわりすぎないこと。常に自分の出発点は前日の引値。

 

・トレードで最も重要なルールは巧みな攻撃をすることではなく、巧みな防御をすること。毎日自分のポジションが間違っていると仮定する。そうすれば、自分の損切りポイントが見えてくる。そうすれば、最大損失の可能性を確定できる。

 

・英雄を気取ってはいけない。自己中心的な考えをしてはいけない。常に自分自身とその能力を疑ってみる。自分はうまいんだなどと思ってはいけない。そう思った瞬間、破滅が待っている。自身が大きくやられるは、いつも大きく稼いだ後で、自分は何かをつかんだと思い始めた時。

 

・トレンドが出るのは相場全体の15%で、残りはボックスで推移するもの。

 

・エリオットの波動理論が驚くほど有利なリスク・リターンの機会を提供してくれる。

 

ブラックマンデーの暴落を当てたが、その理由として、先週の金曜日、下げ過程で市場最高の出来高を記録したから。1927年にも暴落の二日前に全く同じことが起こった。

 

・全てのものはそれを創るのにかかった百倍の速さで破壊されるものだ。十年かかって創り上げたものもたった一日で崩壊する。

 

・作成中のトレーディングシステムの前提として、相場が動く時には激しく動くということ。もし狭いレンジで動いていた相場が突然その幅を広げた時には、人間は本能的に価格変動を抑え込もうとする。しかし、レンジの幅が広がったということは、相場はその方向に動き出す準備ができたというサインを送ってくれている。

 

・価格の動きがまず先で、ファンダメンタルは後からついてくるといつも信じている。

 

・自身がトレードするときは、価格のストップだけでなく、時間のストップも使う。相場がどちらかへ離れると思った時に、もしそうならなければ、全く損をしていなくても手仕舞うことがよくある。

 

・トレーダーに対する最も大事なアドバイスは、金儲けに執着するな。自分が手にしたものを守ることに執着せよ、である。

 

・短期間に総資金が1-2%減少したら、リスクをなくすために自動的にポジション全体を手仕舞う。これは既存のポジションに苦心するより、新たにポジションを創る方が簡単なため。