マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣 〜ブルース・コフナー
「マーケットの魔術師」は米トップトレーダーがいかにして成功したかをインタビュー形式で答えるものである。1987年に発行された本であるが、マーケットを動かすのは人間の心理であり、人間の心理(恐怖や強欲などといった根本的な感情)は不変なため、今でも重要な情報ばかりである。
ブルース・コフナーは先物市場で名を馳せた人物であり、10年間の年率は87%,500倍稼いだ人物である。
以下、特記事項
・自分の感情や想像を絶するようなことが起こった時には、そのことに関連している全てのポジションを手仕舞うようにしている。例えば、19日の株式暴落時には、2日間で全てのポジションを手仕舞った。自分では理解し難い何かが世界で起こっていると感じたため。トレードをするにあたっての第一の原則は、自分で理解できないうちに損を出してしまうような状況を作ってはならないということ。
・自身の教育したトレーディングスキルは人に教授できるが、うまくいったトレーダーは自分に適するポジションサイズも承知していた。欲張りなトレーダーは大抵吹き飛ばされてしまう。ブルースが1枚トレードするところをうまくいかないトレーダーたちは10枚トレードした。彼らは資金が倍になった年もあったが、今ではプラマイゼロのまま。
・普通では理解に苦しむような出来事が多く隠れていて、それが相場を動かしている。平凡なトレーダーの所へその情報が届く頃には、すでに相場は動き始めている。その相場が動かされるのは、馬鹿でかい買いや売りがあって初めて可能になる。だからテクニカル分析には多くの真実が含まれている。
・テクニカル分析は過去を振り返るものであって、将来を占うものではない。過去に自分以外のトレーダーがどのように行動してきたか、将来をどう見ていたかを分析し、最後は自分自身の頭で相場についての判断を下す。
・株価がもみ合っていた時、新聞などに好材料な記事が載ってブレークしても、大きく動く可能性はあまり大きくない。一方で誰もがブレークするような理由や材料が思い付かないような時に突然ブレークしたならば、設けられる確率は大きい。
・ポジションを持つ場合、あらかじめどこで手仕舞うかストップポイントを決めておく。そのポイントはテクニカル的に見て決めるが、それによって自ずとポジションサイズも決まってくる。ただし、みんなが注目しているようなポイントに置くことは避けている。ストップは意外に遠くて、簡単には値がつかないポイントに置くようにしている。方向性が正しいのであれば、簡単にストップして仕方なく手じまわざるを得なくするという事態を避けるため。ただし、トレードの枚数を抑えた上である。1回のトレードでポートフォリオの1%以上はリスクを犯さないようにしている。
・平凡なトレーダーにアドバイスするとしたら、どんなに自信があるポジションであったとしても、少なくても今の半分くらいでトレードするべき。彼らは実力の3〜5倍でトレードしている。
・衝動的なトレードほど失敗する確率が高いものはない。一度戦略を決めたのであれば、トレーダーはその計画に沿ってトレードを進めるべきであり、決して衝動的に計画を変更するようなことはあってはならない。具体例として、友人の勧めによってポジションをとったり、値動きが逆に振れたからといって、まだストップに着く前に手仕舞ったりすることなどである。
・儲かるようにトレードするには、どうしてそうするか納得した上でポジションに固執しなければいけないわけだから、他人にただ従ってトレードするのは難しい。
・ブルースはファンダメンタルとテクニカルどちらも使っているが、どちらかしか選べないとしたら、ファンダメンタルを選ぶ。驚くほど多くのテクニカルなトレーディングシステムができているため。