株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす①
本著は「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」の結論をもう一段掘り下げたもの。これを読み進めることで、インデックス運用を上回る方法を見つけることができる。
成長の罠
・新興企業や新興業界のリターンは、数十年前に創設された老舗企業を、たいていの場合下回っている。成長に目を奪われると、落とし穴に足を取られる。
例えば、IBMとスタンダードオイルを1950-2003年で比較する。
1株当たりの売上高:IBM(12%) > OIL(8%)
1株当たりの配当:IBM(9%) > OIL(7%)
1株当たりの利益:IBM(11%) > OIL(7%)
セクター成長率:IBM(15%) > OIL(-14%)
すべてIBMが勝っているが、
株価上昇率:IBM(11.4%)>OIL(8.8%)
トータルリターン:IBM(13.8%)<OIL(14.4%)
これはPERでIBMが27倍に対し、OILは13倍であり、OILがバリュエーションで圧倒しているためだ。投資家のリターンを決定するのはバリュエーション。
1950年~2003年の運用成績でみた最上¥上位4銘柄は、クラフト・フーズ、RJレイノルズ・タバコ、OIL、コカ・コーラ。市場平均の6倍もリターンを得ており、すべて成長産業ではなく、むしろ半世紀前に開発した汎用品に近い製品を作り続けている。(この④銘柄を含め、リターンが最も高い20銘柄を黄金の銘柄と呼ぶ)