株で1億円のキャピタルゲインを

株で勝つための銘柄分析、本の要約をブログにしています。

ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方

本の要約

☆2.5

2012年から2017年で国内中小型株式部門で最優秀ファンド賞や優秀ファンド賞を連続受賞した筆者。投資対象が同じため何か良い気づきがあると思い読破した。しかし、あまり実りは得られなかった。(2017年著)

以下、特記事項

 

・筆者は時価総額1000億円以下をメインとしたファンドを運営。株式市場には株価を正しい方向に向かわせて本来あるべき適正な水準に戻す引力があると信じ、適正な水準になるのを5年、10年でも待つ投資スタイル。

 

・PBRは気にしない。PBRは解散価値であり、企業が解散する事態は非常に稀なため。

 

・PER15倍は、高成長企業ではないものの伸び代があり、さほど大きなリスクがない安定成長銘柄。通常は高くても20倍程度が目安。例外的な高成長企業の場合は50倍で計算することがあるが、それ以上はない。

 

・業績予想はせいぜい1年先までで、5年先のことはわからない。

 

・テーマ株として注目された銘柄は、企業価値の過大評価が起こり、株価が実態と乖離して値上がりしやすい。ただ、筆者は割安株投資であり、距離をおくべきと考えている。

 

・著者は年間900回企業と面談し、それによって投資対象を決めている。企業の沿革を聞くと過去にさまざまな成功や失敗があり、それらが絡み合って今があるということがわかる。丁寧に聞くのはその会社にとってターニングポイントになった出来事。

 

・沿革ヒアリング時に評価が下がるのは、過去の失敗談を話したがらないケース。失敗の経験がきちんと総括できておらず、今後の企業経営の方針に落とし込まれていないのではと思ってしまう。

 

・増益要因と減益要因は必ずメモをする。例えば、過去に原油価格の下落により燃料費を抑えられたため利益が上振れしていた場合、原油価格の動向を考慮する必要があるし、増益したとしても評価を高くしない。

 

・企業は年度単位でものをみており、大半は安定成長を好むことを忘れてはならない。業績が好調だった場合、賞与や修繕費を出したり広告費を膨らんだりすることがある。この場合は、最終的な利益の伸び代が大きくなくても余裕があることは明白。

 

株式投資では、これをやったら負けるというパターンがある。それは人の半歩後ろをついていくこと。メディアで紹介された企業や人の言うことを当てにした投資。

 

・新聞は情報源としての優先順位が低く、雑誌では「週刊東洋経済」「選択」「FACTA」がおすすめ。個人投資家であれば「会社四季報」。長期投資する場合、財務よりも前後の変化(業績予想・材料記事)を時系列で読み比べるのがおすすめ。四季報は個別企業の環境変化や業績の変化をいち早く察知して記事にしていることが多く、大いに参考になる。

 

・一般消費者をユーザーとするネットサービスについて、ユーザーを自分たちのサービスに誘導できる仕組みがあるかどうかを重視している。端的にいうとグーグルやツイッターなどに従属しているネットサービスは危ない。具体的には、成功報酬型求人情報サイトの運営。これはグーグルがアルゴリズムを変更し、SEO対策が効かなくなると経営が一気に傾くから。

 

・投資用不動産は電話勧誘の仕組みがまかり通っている。そんなところにもう少しまともな仕組みが登場したらそれはいいもの

 

個人投資家がプロに勝てる大きな要因に、「いつ、いくら投資してもよいし、いつ売ってもよい」がある。プロは相場環境が悪くても現金保有比率を上げにくいし、解約する客がいた場合は売りたくなくても現金化して渡さなければならない。相場全体が大きく下がった時に本来はプロは投資したいが、投資信託を解約する客がたくさんいる。

個人投資家はチャンスを待とう。

マザーズ投資待ち